英語の発音

テレビで、たまに完璧な発音で日本語を話す外国人を見かけるが(衛生放送でNHKを見ているのだ)、あれにはいつも驚かされる。しかも最近では大阪弁や山形弁まで巧みに話す外国人もおるではないか。アメリカに住んで二十年近くになる今、おかげさまでコミュニケーションには問題ないが、発音は未だにカタカナのままである。

はじめてアメリカに来たのはテキサス州のウェイコーという田舎町だった。外国人があまり多くなかったので、周りと比べて自分の英語だけが特別に下手だと感じ、恥ずかしい思いもした。そのため、いつもアメリカ人の発音を真似することに努力した。ところが、異国人が多いためにあらゆる発音の英語が混じりあっているニューヨークに住んだ時は、少し価値観が変わった。いろいろな国の訛りの入った英語は、これが個性的でなかなか良いものであると感じたのだ。東洋人訛りはいまいちだが、ヨ−ロ−パ訛りの英語は格好が良い。特にイタリア、フランス、そしてロシア人の発音する英語は羨ましいほど素敵に聞こえる。そして今では再びテキサス州の田舎に住んでいるが、最近面白い出来事があった。電話で見知らぬ人と話をしていた時だが、「あんたの英語の発音素敵だけど、どこの出身なの?」と聞かれたのである。この町の人たちは、外国人の英語をあまり聞いたことがない。日本人のカタカナ英語が格好よく聞こえたのであろうか?

日本人はちょっとした失敗でも恥じる傾向が強いためか、テレビのインタービューなどの場合、よほど英語ができないと自分からすすんで英語を話そうとしない。ところが、韓国人や中国人は、みんな平気な顔をしてヘタクソな英語をべらべら話してしまう。例えば、日本に住んでいる外国人が、決して上手とは言えない日本語を一生懸命しゃべろうとしている姿は、とても微笑ましいではないか。これは逆に、アメリカで苦労している日本人にもあてはまるであろう。時々地元の子供に、英語の発音が変だと笑われるけど、別にこれでいいのだ。子供の時、相撲の表彰式で外人が「ヒョウショウジョウ(表彰状)」大声で言うたびに必ず笑っていたが、あれはバカにしていたのではなく、愛嬌があったからである。これからも、カタカナ英語を続けていきたい。

[2002年12月2日]

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