パリ旅行記・4日目〜サン・ロック教会での演奏会

今日は午後1時に参加者によるオルガン演奏会がサン・ロック教会で行われる。そのために演奏者は午前中から練習だ。12人いる演奏希望者に与えられた練習時間は2時間弱。時間節約のために、ラングレー女史がオルガンの音作りなどを手伝ってくれる。オルガンは4段鍵盤の大きな古典派の楽器。鍵盤はどれも重く、一番高い音はFまでしかない。ストップ操作のために、アシスタントが両側に一人ずつ必要とする。とても演奏しづらいオルガンだと聞いていたので、短くて簡単に弾ける曲を用意おいたのだが、昨日のレッスンで「もっと難しい曲を挑戦しなさい」と、いきなり変更させられた。演奏者の中で前日にレッスンを受けたのは僕ら二人だけで、それが功を奏した。予定では自分はクープラン作の小曲、妻はヴィエルヌ作の「アンダンティーノ」だったが、自分はデュルフレ作の「アランの名によるフーガ」で、妻はヴィエルヌ作の「ウェストミンスターの鐘」に変更。

練習と演奏会の間のランチタイムで、僕らは近所にあった「国虎屋」という日本のうどん屋に行った。この近辺は日本人街のようで、寿司や食堂の他にラーメン屋やそば屋もある。ニューヨークにでさえ、うどんやそばだけを専門にしているレストランはなかったので、つくづくパリはすごいと思った。食べたうどんは天ぷらの付いた冷たいざるそば。妻は冷たいたぬきそばにうずらの卵を追加。うずらはなんと驚きの生卵だった。さて、美味しいものを食べて挑んだ演奏会。演奏者はみなこの貴重な体験に満足した様子だった。

この演奏会では、かつての恩師に会えることができた。ニューヨークのマンハッタン音楽院時代、博士論文を指導してくれたアーサー・ローレンス教授が、たまたまパリを訪問していて、この演奏会の事を知って来てくれたのだ。13年ぶりに、まさかパリで再会するとは思わなかったので、とてもうれしかった。

演奏会後、昨日訪れた音楽院に行き、今度はラングレー女史による公開レッスンが行われた。数人がバッハやフランクの曲を演奏する中、妻が講師の夫、故ラングレー作「フェット」を演奏した。興奮しすぎてちょっと荒い演奏になってしまったが、さすがに自分の愛する夫の作品を演奏したためにご機嫌の様子だった。

夕食の後はジグーという名の有名なオルガニストが60年以上も勤めたサントギュスタン教会に集合。専属のオルガニストDidier Matry氏がデモ演奏を行い、教会とオルガンの歴史を話してくれて、その後は参加者が自由に演奏する。フランスのロマン派に最適な、カヴァイエ・コール作のパイプオルガンがいよいよ登場だ。そのために多くのオルガニストが演奏を希望した。やっと待って最後から2番目でデュプレ作「前奏曲とフーガト短調」を演奏させてもらった。カヴァイエ・コール作のパイプオルガンを生まれてはじめて演奏した記念すべき日になった。鍵盤を軽くするために開発された、バーカーレバーという機能を搭載しているのがカヴァイエ・コール製の特徴のひとつだが、それでも鍵盤は重々しく感じた。


サン・ロック教会

うどん屋「国虎屋」

ローレンス恩師

サン・ロック教会での演奏会

チャペルオルガン

音楽院での公開レッスン

サントギュスタン教会

サントギュスタン教会

Didier Marty氏

[2009年7月2日]

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