パリ旅行記・6日目〜サン・シュルピス教会

今朝は作曲家モーリス・デュルフレが勤めたサンテティエンヌ・デュ・モン教会に行った。オルガンの作曲家ではデュルフレが大好きなので、とても行ってみたかった教会なのだ。現在の専属オルガニストはティエリー・エスカイッシュ。若くてとても優しそうな人だ。はじめに即興演奏を披露してくれた。その後の即興レッスンでは、講習生が好きなように即興をし、それに対してコメントをしてくれる。「こういう事もできる、ああいう事もできる」と彼には無限なアイディアがあるらしいが、講習生は「そんな事言われても、できないよ」という感じだった。そしてデュルフレの音楽によるマスタークラス。自分は「トッカータ」を演奏して、エスカイヤ氏から「もっとテンポを自由に演奏して良い」というコメントを頂いた。

マスタークラス後には自由時間があったので、せっかくだから教会の隣にそびえ立っている「パンテオン」を訪問。ここでも入場料は8ユーロだった。パリの守護聖女ジュヌヴィエーヴを祀った丘の古い教会を、18世紀にルイ15世が病の回復を祝って再建したのがパンテオン。広々とした空間が広がる素晴らしい建物だ。地下は文豪ヴィクトル・ユーゴをはじめ数多くの有名人の墓がある、とてもひんやりとした場所だった。

午後には昼食も食べずに、再びサンテティエンヌ・デュ・モン教会に戻り、他の講習生の演奏するマスタークラスを聴衆。教会のすぐそばには、デュルフレ夫婦が暮らしていたアパートがある事も知った。

次に向かったのはノートルダム・ドートゥイユ教会。誰よりも早く到着したので、マレーシア人が営む小さな中華レストランで軽く朝食。飲み物を入れても約6ユーロで、今までで一番低価格の食事だった。さて、ここノートルダム・ドートゥイユ教会にもカバーイェコール作のパイプオルガンがある。前日マドレーヌ教会で案内してくれたブランク氏が、ここで公開レッスンをしてくれる。自分はデュルフレ作「アランの名によるフーガ」、妻はデュプレ作「コルテージとリタニー」を演奏し簡単に指導してもらった。デュルフレの音楽を演奏するにあたっては、「なるべく一定のテンポで演奏しなさい」と、今朝のエスカイッシュとは全く異なったコメントだった。とにかく、フランスロマン派のオルガンで演奏できて、感無量な思いをした。

夕方の訪問先は、ヴィドールとデュプレで合わせて101年間もオルガニストを勤めたという、サン・シュルピス教会。周りには高級店が立ち並ぶ観光地としても有名な場所で、さすがに今まで行った中で一番賑やかだった。まず、サン・シュルピス駅のそばにある、カフェ・デュ・メトロで飲み物と軽い食事。ほとんどの客は店の外、道ばたに置かれたテーブルに座り、パリの様子を楽しむ。パリにはこのようなカフェがどこにでもある。教会での集合時間は7時半。8時には教会が閉まり、観光客が外に追い出された。この広い教会にフランスオルガン講習会の参加者だけが残された事になる。専属オルガニストのダニエル・ロート氏が教会とオルガンの歴史を説明。カヴァイエ・コール作の中でも忠実に元の形を残してある楽器らしい。演奏台のある場所まで行かせてもらい、すぐそばで演奏を見ることもできたが、今回は時間の都合もあり、主に大学生たちが演奏する機会をもらっていた。教会はしっかり閉ざされているため、中にいる講習生は誰も教会の外に出ることはできない。教会の中にはトイレもなく、飲み物もないのだ。素晴らしいオルガンの演奏を聴けるのは良いが、さすがに疲れも見始め、多少の苛立ちも出てきた様子。ちなみに今日は7月4日、アメリカの独立記念日だ。学生たちの演奏が終わり、教会の外に出たのは夜の10時半だった。


サンテティエンヌ・デュ・モン教会

美しい礼拝堂

デュルフレのオルガン

パンテオン

デュルフレが住んでいたアパート

ノートルダム・ドートゥイユ教会

カフェ・デュ・メトロ

サン・シュルピス教会

オルガン演奏台

[2009年7月4日]

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