テキサス1200キロ演奏旅行

4月下旬、テキサスの州都オースチンと田舎町カービルの2ケ所でオルガン・デュエットの演奏会をしてきた。今回の演奏旅行では車での長旅と演奏の両立ができるか、ちょっとしたチャレンジだった。

1 まずは日本食

最初の目的地、オースチンには時速70マイル(約115キロ)で走って5時間ほどで到着。演奏会場へ行く前に、インターネットで事前に調べておいた日本食レストラン「京都II」へ立ち寄った。都会に行く楽しみのひとつは日本料理を食べられることなのだ。それなりにアメリカの食生活にも慣れたけれど、お寿司や蕎麦や味噌汁がどうしても恋しくなる。音楽のことだけ考えて生きていけない煩悩に満ちた私たちではあるが、カツ丼と天ぷらのあとは早速リハーサルを開始した。

2 オースチンでの演奏会

今回、清人は衣装のズボンを忘れるというドジをした(アメリカに来てはじめての演奏旅行では衣装を全て忘れたこともあるが)。せっかく黒の上下で格好よく決める予定だったのに、下はチノパンツになった。オルガンはアーレン社の電気オルガンだったため、パイプオルガンにはあまりないハープやチャイムなどの音も使うことができた。お客さんに「このオルガンからこんな音が出るなんて知らなかった。」と言われたが、演奏者としてはそんなコメントがとてもうれしいのだ。いつものように、曲の間には数回スピーチもした。曲の説明の他に一台のオルガンを二人で連弾する苦労?話を加える。特に練習中によくやる二人の喧嘩話にはいつもお客さんは大喜びしてくれる。

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3 カービルへ

オースチンからカービルまでだいたい2時間半。ひとつ仕事を終えてほっとしながらの楽しいドライブになった。テキサス州花のブルーバーネットが美しかった。カービルは人口は約2万人。仕事を引退して余生をこの町でのんびりとという人が多い。丘あり、川あり、広大な公園やキャンプ場もある、自然に満ちた町であった。「鹿飛び出し注意」なんて標識もあったし、実際、車にはねられた鹿を2匹も見てしまった。

4 カービルでの演奏会

そんなカービルにもパイプオルガンはあった。そしてうれしいことにお客さんはいっぱいだった。楽器はテキサスのオルガン建造家オットー・ホフマンによる3段鍵盤のパイプオルガン。少々音色に乏しかったが、私たちのモットーである「楽しくてカラフルな演奏」を心がけたので、いただいたメモリーレベル(10)は全て使ってしまった。アンコールの「星条旗よ永遠なれ」ではお客さんから手拍子が起こり、とても楽しく弾けた。

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5 ホスト・ファミリー

コンサートに招待される場合、アメリカではホスト・ファミリーのお世話になることが多い。オースティンでもカービルでもそうだった。ありがたい事だが、実はこれがけっこう気をつかう。出された「手作りの甘い山盛りのデザート」は食べなきゃ失礼になるだろうと思って頑張って食べたり、リハーサルの報告をしたり、身の上話しも少しはしなければいけないし、世間話を聞いたり、と気が休まる時間がない。その他、夜遅くシャワー使ったら家族に迷惑じゃないかとか、朝シャワーを使ったら出勤前でお湯がなくなるんではないかとか、そんなことにも気を使ってへとへとになる。

長いようであっという間だった演奏旅行。車の長旅と演奏の両立はできた!でも、やっぱり終わってみれば全体力を消耗した感じ。やっぱり移動は飛行機か列車がいいな。演奏会とは関係ないけど、あんなに楽しみだった日本料理、お味噌汁もおかずもすべて塩辛く感じて驚いた。日本でこんなに塩辛い料理、食べてたっけ?

[2002年4月21日]

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